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Shopifyで読み解くECビジネスの決算書の読み方【ショッピファイ2020年Q4】

makka

決算書を読み解くことはその会社のことを知るのに重要な要素です。さらに決算書がわかれば、その業界全体のことも見えてきます。

そこで今回は、Shopifyの決算書をもとにECビジネスの未来について紹介していきたいと思います。

  • ECビジネスの決算書を読めるようになりたい方
  • Shopifyが気になる方
  • ECビジネスの将来性が知りたい方
  • ネットショップを始めたい方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば、Shopifyの決算について知れるだけでなく、今後決算書のどこを読めばいいのかがわかりますよ。

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そもそも決算書って?

決算書はその期間の会社の成績をまとめたものです。投資家や銀行などの債権者に向けて作られていますが、会社のホームページなどから確認することが可能です。

成績といっても、収益を単純に載せるのではなく、貸借対照表や損益計算書などで具体的に明記されるので、決算書を読み取ることができるようになればその会社の状態がわかってしまうというわけです。

Shopifyの2020年第4四半期の決算書は2021年2月17日にリリースされました。今回はその2020年のShopifyの決算書を見ていきたいと思います。

第1四半期

第1四半期の総収益は4億7000万ドルで、2019年の同等の四半期から47%増加でした。

第2四半期

第2四半期の総収益は7億1430万ドルで、2019年の同等の四半期から97%増加。

ShopifyはWalmartチャネルを立ち上げ、Shopifyの加盟店がWalmart.comで製品を販売できるようにしました。

ウォルマートは世界最大級のスーパーマーケットチェーン。そんなウォルマートとの連携でアメリカではShopifyがますます身近なものとなりました。

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第3四半期

第3四半期の総収益は7億6,740万ドルでした。これは前年比96%増。

第3四半期にはShop Pay Installmentsへの早期アクセスの展開を開始。ユーザーにより多くの支払い方法と柔軟性を提供することを可能にしました。

第4四半期

収益は前年比94%増

第4四半期の収益は前年比94%増の9億7770万ドルでした。2020年通期も29億2950万ドルで前年比86%増。

取引高は96%増

GMVは411億ドルでした。これはなんと前年比99%増。2020年通期も前年比96%増の1196億ドル。

第4四半期にはサイバーマンデー・ブラックフライデーがありました。Shopifyのプラットフォームでの売上は51億ドル以上。2019年が29億ドルだったので、その差は一目瞭然ですね。

Shopifyの2020年

「2020年には、商人の回復力と適応能力が困難な年に多くの商人を成功に導いたため、起業家精神が強くなりました。」とShopify社長のハーレーフィンケルスタインは語っています。

実店舗に行っての買い物が困難になった年だからこそ、オンラインでECサイトを作成することができるShopifyが活用されています。

また、テレワークやステイホームなどで自宅にいる時間が長くなったからこそ、副業でネットショップを始めてみるなんて人も増えたのかもしれませんね

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そんなShopifyは簡単に本格的なECショップを作成できるサービスです。

月額制のSaaS型ビジネスであり、29ドルでショップを持つことができるベーシックプラン、79ドルのスタンダードプラン、299ドルのプレミアムプランがあります。

世界175カ国、100万店舗以上で利用されていてそのシェアはNo1。日本でも近年SNSを中心に話題になっています。

ECビジネスの決算書で注目するべきポイント

ここからはShopifyの実際の決算書を参考に、決算書を読みとく際に意識してほしいポイントや用語を解説していきます。

GMV

GMVは販売総額のことで、ユーザーが購入した商品やサービスの売上高を指します。

そのサイトでの物の流通がどれぐらいの規模で行われてみることで、サービスの規模や動向を知ることができるのです。ECビジネスにとって重要な項目と言えるでしょう。

Shopifyの第四四半期のGMVは先ほども言ったように411億ドルで前年比99%増でした。

コロナ禍でのEC市場の需要拡大が後押しした形となりました。

ネット売上、テイクレート

ネット売上とは先ほど説明したGMVのうち、費用を差し引いた売上高のことで、実際にプラットフォームを運営している会社に入る売り上げのことを指します。

Shopifyではショップの事業者がいます。例えば商品が売れた金額が全てShopifyに入るわけではないですよね。ショップ事業者へ費用を支払いShopifyに入る残りの金額がネット売上になるのです。

第四四半期でのShopifyのネット売上は先ほども言ったように9億7770万ドル。前年比94%増。

テイクレートは取引金額のうち運営側の取り分の割合を指し、以下の公式で導き出されます。

テイクレート=ネット売上÷取引高

計算するとShopifyのテイクレートは2.3%なので、成長の余地がありそうです。(BASEは約8.5%、Amazonは約27%)

MRR

MRRは月間経常収益のことを指します。つまり、毎月決まって発生する売上のことであり、初期費用や追加購入費用などを除いた売上です。

Shopifyはユーザーから月額費をもらうSaSSビジネスを行っています。このSaSSビジネスにおいてMRRはとても重要な要素です。

SaSSビジネスは毎月の基本料金が決まっていることが多いので、毎月の売上をみることができるMRRによって企業の成長率を確かめることができるからです。

Shopifyの12月31日のMRRは8260万ドルで前年比53%増で過去最高を記録。これは、第3四半期に記録的な加盟店が追加された後も引き続き多数の新規加盟店がプラットフォームに参加している証拠です。

コホート

コホートとはユーザーをサービスを開始した時期ごとにグループ化し、どのくらいの期間サービスを継続しているのかをみる数値です。

SaSSビジネスにおいて成長率と並んで重要なのが定着率です。

せっかく新規ユーザーが増えたとしてもすぐにやめてしまっては意味がないですよね。コホートの値を見て、ユーザーが定着できているかを確かめましょう。

Shopifyのコホートは、こちらです。

オレンジの新規ユーザーもしっかり獲得できていますが、緑の2018年以前のユーザーがしっかり取引高を獲得していますね。

Shopifyはしっかりユーザーが定着しており、年々取引高が上がっていくビジネスだということがわかりますね。

費用構成における営業費用

決算書の費用構成では営業費用がどのようになっているかをチェックしましょう。

ビジネスにおいて営業は重要ですが、費用構成の中でいつまでも高い割合を占めているのはあまり好ましくないです。

2020年の営業費用は前年より10%近く減少し、19%となりました。(グラフ、グリーン)

2020年は新型コロナウイルスも要因にあったと考えられるので、次回の決算でも注目していきたいところです。

Merchant Solutions

Merchant Solutionsとは決済手数料のことを指します。ShopifyペイメントやShopify POSなどの収益、SNSとの連携による紹介料などです。

ShopifyのMerchant Solutionsの収益成長率は、主にGMVの成長により、117%増加して6億9,830万ドルになりました。

これは単純なShopifyのユーザー数が増えただけではなく、ECサイトの取引が盛んになっている証拠。

2020年にはShopifyはTikTokや楽天などとの連携も開始しました。

SNSなどへの連携が加速したことで、ECサイトの取引が活発になったと言えるでしょう。

ShopifyはアメリカEC市場2位のポジションへ

Shopifyの決算では投資家向けのカンファレンスコール資料が展開されます。

こちらの資料で2020年のEC市場売上シェアがAmazonに続く2位だったと発表されました。

Shopifyはどんどん新しいサービスが導入されています。そんな変化のあるサービスだということもこのシェアが確立できた要因の1つかもしれません。

例えばShopify ARは、AR機能を使ってショッピング体験ができるサービスです。自分の部屋に家具を配置してみたり、商品を360度細部まで確認することが可能。

ネットショップにありがちな「商品が届いたら、イメージしていたものと違った」や「インテリアが大きすぎて配置できなかった」などと言ったお悩みを解説することができます。

2021年もますます注目ですね。

まとめ

いかがでしたか。本日はShopifyで発表されたばかりの2020年第4四半期の決算書をもとに、ECビジネスの決算書の読み方を紹介していきました。

ECビジネスにおける決算書の重要な要素は以下の通りでしたね。

  • GMV
  • MRR
  • ネット売上、テイクレート
  • コホート
  • 費用構成における営業費用
  • Merchant Solutions

 

そしてShopifyの第四四半期は、GMVだけでなくMerchant SolutionsやMRRも増加していました。

これはShopifyが成長をしていて、単にユーザー数が増えているだけではなく取引も活発化している証拠です。

さらにコホートを見てみると、ユーザーもしっかり定着しています。

今後よりテイクレートの割合を上げられるか、成長をし続けていくことができるのかを注目していきたいところです。

 

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