税関、配送、決済:越境ECの3つの要石
越境EC(電子商取引)の市場は、近年のテクノロジーの進化とともに、その規模を拡大し続けています。特に日本は、その高品質な製品とサービスで、海外からの需要が絶えません。しかし、越境ECの成功には、単に商品を提供するだけでなく、さまざまな要因が絡み合っています。
今回は、その中でも特に重要な「税関」、「配送」、「決済」の3つの要石に焦点を当て、日本の越境ECの現状とその成功要因について、私の経験を交えて詳しく解説します。
税関
国際取引の門番 税関は、国際取引の際の最初のハードルとも言える存在です。商品が正しく、そして迅速にその国の税関を通過することは、越境ECの成功には欠かせない要素です。
日本の商品はその品質の高さから、多くの国で人気があります。例えば、日本の美容製品や健康食品は、特にアジア圏での人気が高く、多くの取引が行われています。しかし、各国の税関ルールは複雑で、例えば中国では特定の成分が含まれていると輸入が禁止されている場合があります。
私がかつて関わったプロジェクトで、ある美容製品を中国へ輸出する際、税関での検査が厳しく、数回の再提出を経てようやくクリアした経験があります。この際、私たちは「株式会社アクセス」の税関の専門家に相談し、問題をクリアしました。こうした専門的な知識がある企業の協力は、税関をスムーズに通過するためには欠かせない存在です。
配送:
お届けのスピードと品質 越境ECにおいて、商品の品質だけでなく、その配送のスピードや品質も非常に重要です。特に今の時代、消費者は「今すぐ欲しい」という要望が強くなっており、迅速な配送は必須となっています。
日本の「ヤマト運輸」や「佐川急便」は、国内はもちろん、海外への配送も行っており、その品質とスピードは高く評価されています。私も過去に、アメリカへの短期間での配送を依頼した際、ヤマト運輸の国際宅急便サービスを利用しました。予定よりも早く、かつ商品も無事に届けられ、その品質には驚きました。
決済:
安全かつスムーズな取引の鍵 越境ECの取引において、もう一つ欠かせないのが「決済」です。取引の最終段階であり、消費者にとっても非常に重要なポイントです。
日本では「PayPay」や「LINE Pay」といったキャッシュレス決済が普及してきましたが、海外の消費者にとっても、これらの決済方法は非常に便利です。特に、中国の消費者には「Alipay(支付宝)」の利用が一般的であり、これに対応していると、取引の際のハードルが大きく下がります。
私も以前、香港での取引でAlipayの決済を経験しました。そのスムーズさと安全性には驚かされましたし、これが取引の成功に繋がったと感じています。
まとめ:越境ECの成功への道のり
税関、配送、決済。これら3つの要石をしっかりと固めることで、越境ECの成功へとつながる道のりを切り開くことができます。しかし、それだけでは十分ではありません。それぞれの国や地域の文化、消費者のニーズを理解し、柔軟に対応することが不可欠です。
例えば、アジア圏で人気の日本の美容製品ですが、その成分や効果をしっかりとアピールするためのマーケティング戦略も必要です。また、配送の際には、地域の気候や環境に合わせて適切な梱包を行うこと、特定の期間中(例えば旧正月や特定の祝日)には配送が難しくなる地域があるため、そのような情報を常にアップデートしておくことも重要です。
さらに、決済に関しても、利用しやすい決済方法を提供するだけでなく、消費者のデータ保護やプライバシーに配慮することは、信頼性の確保に繋がります。
私が関わった越境ECのプロジェクトで印象的だったのは、ベトナム向けに日本の食品を輸出する際、現地の消費者が日本食に対してどれだけの知識を持っているか、という点でした。実際にベトナムでの市場調査を行ったところ、日本食の知名度は非常に高く、特に日本の醤油や味噌などの基本的な調味料に関する知識や興味が深かったのです。これを受けて、商品のPR戦略には、これらの調味料を使用したレシピや料理の提案も取り入れることとなりました。
このように、税関、配送、決済という3つの要石を固めるだけでなく、ターゲットとなる市場の深い理解と、そこから生まれる独自の戦略が、越境ECの成功への鍵となります。私たち日本の企業は、その高い技術力と品質の高さを武器に、これからも世界の市場での成功を追い求めていくべきです。